2008/10/09

【ID講座】アリとキリギリスの世代論

「おっさん」と「おにいさん」のハザマで迷う年頃によくある悩み。

「ったく、最近の若い奴等ときたら、、、」

と、思ってしまう事。

すっごく言いたい!けど口に出したら確実にオッサン。
言ってしまった時点で「若かりし頃」には戻れなくなりそうで不安になる年頃なのですよ。

今日はそれでも我慢が出来ずにクダ巻いてしまうオッサンの話。
「おばさん」と「おねえさん」の狭間で浮かばれずにいる地縛霊の皆様もお付き合い下さいまし。


先日ボクが助講師を務めているクラスのプレゼンテーションに立ち会ったんですよ。
インテリアデザイン講義の前半を締めくくる「物販店舗デザイン」の課題。
去年の受講生時代にはボクもヒィヒィ言いながらクルマのショールームを創り上げ、
ガチガチに緊張しながらも何とかカンとかクリアしたものです。

CADしか教えていないボクは彼等のプレゼンと作品を観るのもこの日が始めて。
賑やかなクラスなので、個性的な作品を期待して楽しみにしていた訳です。

この課題内容をザックリ説明しますとですね、
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1.自分の好きなブランドを仮想クライアントに選ぶ。「物販店」なら何でも良い。
2.選んだブランドについて調査し、商品展開や客層を設定する。
3.ブランドイメージと自分のセンスをMIXし、デザインコンセプトを決める。
4.コンセプトに沿った建築素材や色、照明を使って設計図、透視図、模型を制作する。
5.出来た作品を10分の制限時間の中で発表。更に10分質疑応答。
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ってな具合なんスよ。期間はおよそ1ヶ月。
口で言うのは簡単だけど、コレ授業の中で実際やってみるとマジで痩せますゼ。

この日はボクも講師ヅラして一人一人に講評しなくちゃいけなかったので、
普段の授業よりは真剣に彼等のプレゼンを観ていたんです。

で、結果は正直なところ酷いレベル。
「課題そのものが未完成」とか「図面に不備がある」とか「プレゼンでマトモに喋れない」とか、
そんなんだったらまだまだマシ。ボクだって完成率50~60%くらいだったしね。

ナニがアレかってアータ、上の1~3にあたる「構想段階」がグダグダなんですよ。
空想や妄想を練り上げて構想にしていくまでのチカラが皆無。
つまーり、発想するチカラとか想像力がぜんぜん足りないんスよ。

おいおいおい。ココはまがりなりにも「デザインの学校」だぜ!?
入試も資格も要らないから誰彼構わず入れちゃうけれど、
デザイナーって奴になりたいから100万とか150万とかつぎ込んできたわけじゃん?

特にヤバいのが若い世代。男女比半々19~33歳の中でも下の方がマズい。
年長組は自分の人生経験を、若い衆は常識に捕らわれない自由な発想を
エッセンスにして自分なりのセンスを築いていくべき。と教えられているのにね。

言いたくないけど言わずにいられない。
近頃の若ぇ奴等にゃ想像力っつーか遊び心つーか、夢すら無いんじゃねぇのか?




そんな風にクダ巻いて過ごしていたら、ふと気付いた事がありました。
最近買う本のテーマに「世代論議」ってのがありまして、
人をジャンル分けするのもチト気が引けるけど、
物事をマクロで捉えるには丁度いい考え方ですよね。

ボクが属する「就職氷河期世代」と彼等「ゆとり世代」のギャップ。
ちょうど部屋をシェアしている同居人が22歳なので日々の生活でもヒシヒシ感じてます。

ボクが20~25くらいの頃って、
「フリーター万歳!サラリーマンなんてダセぇ!
仕事よりも趣味に打ち込んでる方がカッコいい生き方!」みたいな風潮があったんです。

ま、ボク自身その風潮にドップリ浸かって生きてきたワケですが(苦笑)。

そんな夢いっぱいなフーテン人生も20代後半になってくるとやっぱりキツくなる。
夢から覚めてカタギになろうにもロクな仕事を選べない。
ロクでもない現実から逃げる為に結局遊びに逃げる負のスパイラル。

そんな連中を「人生の先輩」として観てきた若いコ達が、
ボク等を反面教師扱いするのは責められないですよね。

これぞまさに、

アリとキリギリス。

そりゃ勿論ボクの世代にだってアリさんのようにコツコツ真面目な人も沢山いるし、
アリのように働きキリギリスのように遊ぶパワーエリートもいます。
ただボクのように典型的キリギリス人生が異様に多いのも統計上&経験上の事実。

「最近の若い奴等はよぉ。。」なんてボヤく原因を自ら作っている事に気がついてしまいました。





さて、ボクも今現在ナカナカ厳しい岐路に立たされていますが、
童話のようにアリさんに媚びて生きていくなんてマッピラ御免こうむりたい。

「人生はクローズアップで見れば悲劇。ロングショットで見れば喜劇。(チャップリン)」

近頃感銘を受けたこの言葉をネタに、
若いアリんコ捕まえて「お前等もっと遊べコノヤロー!」と説教垂れていきながら、
「活劇」の準備にとりかかります。

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