2009/10/18

【bar neue*】愛される店の何たるか

一ヵ月近い工事もトラブル無く完了し、レセプションを迎える事ができました。

バーオーナーにしてグラフィックデザイナーでもある(ついでに言うとDJもVJも)クライアントと、
デザイン段階から互いのコダワリをぶつけ合い、
時にはエゴをゴリ押ししたり、力の足りない所は素直に認めたり、
結果的にWIN-to-WINの仕事が出来たはずです。

デザイン性/コスト/施工技術と、至らない部分はあるにしても、
この「作品」には絶対の自信があります。
何故かというとボクが今まで数多く見てきた「愛される店の何たるか」を表現したからです。
その「何たるか」を言葉では上手く表現出来ないのですが。


そりゃま、
ここよりカネのかかった店や施工技術の高い店は幾らでもあるし、
センスの良いインテリアの店も沢山あるでしょう。

しかし建築誌や情報誌に取り上げられるような店が必ずしも良い店とは限らないし、
業界で「先生」なんて呼ばれている連中の作品が、
実際に使う人間の居心地を無視しているようなハコばかりだったりもします。

愛される店とは、人の人生にまで深く影響を与えるお店。
そういう店を創る為にインテリアデザイナーが出来る事といえば、
第一印象でお客の心を開かせる事であったり、
仕事のアラをアジとして受け入れさせる色気や人間臭さの演出だったり、
そしてお店とお客の間に「ココはアタクシが創りました」と胸を張って立つ事でしょう。


●デザインレビュー
改装前の雰囲気を殺さずに全面刷新という条件で、
カフェの色使いとバーの照明をMIXし、
ギャラリーとしての機能性を重視した作りになっています。

これが着工前のCGパース。





現場レベルでの判断で飾り棚を間接照明でライトアップ。





コレを思いついたキッカケは、
キッチン奥の換気扇の為に壁の一部分を凹ませなくてはならなくなり、
どうせなら棚部分も一緒に凹ませて壁にリズム感をつけよう、
というまったくの思いつき。即興の割には好評です。


既存の窓部分はロールスクリーンを設置する為に窓枠と壁をイジりました。



照明は全て白熱灯クリア球に統一。



一般的に市販されている電球で最も色温度が低い(=赤みのある光)のがコレ。
こういうクラシカルで暖かみのある光が一番好きです。



そして全体像









OPEN前で超忙しいにも関わらず、
写真を撮る時間を作ってくれる気遣いに感謝。
クリエイターを相手にする店ならでは。


レセプションパーティ風景。



お店の常連サン達の入店直後の表情を見て、
ボクのマジックがちゃんと効いてるのがよくわかりました。

【bar neue*】
杉並区阿佐ヶ谷北2-12-4トーア阿佐ヶ谷104
OPEN:20:00~ 月曜定休

[innerworks]という屋号は
「内装の仕事」という意味とは別に「内面に働きかける」という意味合いも込めています。

レセプションに来てくれた人も来られなかった人も、
是非とも足を運んでみて下さい。
ボクもチョコチョコ行くので声をかけて下さいね。

2009/10/12

【bar neue*】レセプションパーティのお誘い

ここ2.3日は顔まで真っ白になりながら塗装作業の真っ只中。
終電ギリギリまでカツカツに塗りたくってるので、
顔を洗うヒマもないまま電車に乗り込み案の定不審者扱いされるリョ@お約束です。

工事も残すところあと一週間切りましたが、
お店のスタッフが手伝ってくれるので、徹夜はせずに済みそうです。
だいたい絵描きサンやらデザイナーさんやらが多い店なので、
オレよか塗装上手いハズなのよね。

そうそう、オーナーさんがこの改装日記をブログにまとめてくれていて、
ボク自身のレビューより分かり易いのでご覧になって下さいな。
http://renewal.bar-neue.com/
また現場に定点カメラを設置していて、
ボクの作業の一部始終を撮影した動画も近々公開される模様。

とにかく今回はいい出来ッスよ。
コストとデザインと施工技術とバランスの良い仕事が出来ています。
今後の営業活動も、この店に連れてくるのが手っ取り早い。

そんなこんなで土曜日にレセプションパーティを行いますので、
お近くの方や興味のある方は是非ともいらして下さい。


【bar neue*レセプションパーティ】
DAY/TIME:10/17(sat)20:00-23:00(?)

FEE:あったっけ?オレにご祝儀ちょうだい。
ADD:杉並区阿佐ヶ谷北2-12-4トーア阿佐ヶ谷104

阿佐ヶ谷駅北口をでたら左に曲がり、
中古レコード屋さんが左手に見えたら右に。
スポーツクラブがあるので向かって左の隣の
マンションに一階の一番奥です

2009/10/05

【bar neue*】間接照明で脱がせるインテリア

忙しくなってきましたbar neue*の改装工事。17日のOPENまで休み無しです!


人からヤラされる仕事は1hの残業すら嫌だってのに、
自分でとった仕事は24時間現場にいないと落ち着かないくらい。
クライアントの厚意で作業し易い環境を整えてもらっている事もあり、
ココが今後のモデルケースになるような仕事を心がけています。

今回のキモは照明と配線。
デザイン段階でクライアントとモメにモメてゴネまくった壁の新規制作も、
思い描いた照明を作る為のモンと言っても過言ではありません。

店舗デザインにおいては電気のコードって悪い意味で生活感が出ちゃうんですよね。
せっかく日常と離れた空間で酔いたいってのに、コードだらけだとゲンナリしちゃう。
(自分の部屋はPCとDJ機材で大変な事になってますが)

そういうコード類を極力見せないようにするには、
配線を壁の中に這わせちまえって算段です。

言うのは簡単だけど実際にやるとなるとコレが大変。
ウッカリ感電を繰り返して妙な快感を覚えたり、
火災報知器を誤作動させちゃったり、
余計な苦労を重ねてどうにか配線作業完了。



しかし照明つくるのは楽しいです。



秋葉原のジャンク屋で見つけた陶器の電球ソケットにウッカリ萌えて衝動買い。
どうせ見えなくなる部分なんだけど、こういう所では色気出したいです。



で、作ったのがココ。



ここがこうなります。



もひとつココ。



こっちはこんな風に



電球の隠れ具合とメンテナンス性と光量と光源の配置と、
ぜんぶカンでやったけれど思いのほか上出来。

ナカナカのエロさです。

やっぱりね。

仮にもデザイナー名乗るなら目指すトコロはただ一つ。


「脱がせるインテリア」


あれ?コンセプトずれてきた?まぁいいか。