2009/09/27

【bar neue*】不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまったようです。

シルバーウィークから始まりました阿佐ヶ谷はbar neue*の改装工事。
「改装」と言うからにゃ当然もとの内装をブッ壊す作業から始まります。

その為に購入したスペシャル・ウェポン!
「解体屋サン御用達900mmバール」




ウェポンつーか、凶器っすね。こりゃ。
実際ね、道具屋で購入して持って歩いていたら、
案の定お巡りチャンに止められました。
しかも作業服姿ではなくいつものガラシャツだった為に、
「オレ大工!」といっても全く信じて貰えない。

「働いてんの?じゃ社員証見せて。」
しゃ、社員証って。。。。
全ての労働者が「社員証」なる物を持ち歩いてると信じて疑わない若い警官。
ホント唖然としました。これだから糞ゆとりは困ります。

そんな社会経験が著しく乏しいお巡りチャンと、
平日の昼間っから1メートル弱の凶器を持ち歩くチンピラとの押し問答に、
ご近所の皆様が騒然と集まってきて一層混乱!

あまりの理不尽さに「ホントに振り回してやろうかな」なんて衝動に駆られもしたけど、
上司らしきオッサンの警官が仲介に入ってきて事なきを得ました。
しっかしツイてねぇな。幸先悪ぃぞこりゃ。


そんなこんなで溜まったウップンを晴らすべく、
渾身を込めてバリバリとブっ壊していきます。



いやマジ気持ちイイです解体作業。
腹の底でグツグツ煮えたぎる破壊願望を解放するにはもってこい。
気に入らない奴の顔を思い浮かべるとより効果的!




 「んだらぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!このダボがぁぁぁぁぁ!!!!」


こないだ漫画喫茶で「特攻の拓」を全巻制覇したばかりなので、
作業には不必要な掛け声が建物じゅうに響き渡ります。
たぶん眉毛がハの字になってると思います。
ちなみに「ダボ」という蔑称はドコの方言でしょうか?
横浜が舞台の作品だけど、リアルで聞いた事がありません。
もっとも、リアルでそんな状況に追い込まれたくもないけど。


解体作業で燃え尽きた後は天井の塗装@小沼塗装店。
誰でも簡単に出来そうな「ペンキ塗り」といっても、
これでナカナカ奥の深い作業でございまして、
白の塗料に色んな顔料を混ぜて理想の色に近づける「調色」という作業があります。

クライアントから受けた要望と、ボク自身のビジョンとを伝えて、
尚かつ施工する照明の色温度(光の赤みの度合い)を想定しながらの色作り。
ボクと同じデザイン学校を出ている職人だからこそ為せる技術であって、
只のペンキ屋には出来ない芸当であります。

コヌ「どうスか?この色。」
リョ「いや~、まだ白過ぎる。」
コヌ「じゃコッチとコッチでは?」
リョ「え。。違いがワカラン。。」

もしかしてオレ色盲?と思ってしまう程に困惑するんですが、
実際に塗ったところが乾いてくるとアラ不思議!
ボクの伝えた言葉通りの色が再現されちゃってるんです。






今回のデザインコンセプトは「改装前のイメージを殺さずに全面刷新」。
「天井と壁は暖かみのある白」という事で、かなりベージュに近い白にしてもらいました。
ただその「暖かみ」だけにこだわるとベタな「ゆるカフェインテリア」になりかねないので、
これから作る他の箇所は別イメージの白素材を使ってアクセントをつけようか検討中。



「秀人クンのフェックスのパールホワイトでキメる」のもアリだろうか。
バールも似合いそうだし♪

2009/09/01

【bar neue*】路線変更プランC

「デザイニング・カーペンター」などとカッコつけた肩書きを作った割には、
ちゃんと仕事として「デザイン」しているのはこれが初めてかもしれません。

クライアントの要望を聞き、
提示された予算の中で仕様や材料を考え、
3Dパースに落とし込んで提案の繰り返し。
ボクの場合は作り方からシュミレートしているので、
トータルで効率の良い方法を模索しています。

お店の持つコンセプトとは別に、
インテリアデザインにも骨子たるコンセプトが必要。
とはいえいきなり「デザインコンセプトは何ですかー?」なんて訊いても
ジャストな答えが出てくるわけではありません。

そこで自分の方で「勝手に」創り上げたイメージを提示して、
相手方の反応を確かめます。
やはりギリギリまで意見をぶつけ合わないと良いテーマは出てこないもので、
クライアントとの精神力の勝負になります。
勝負っつっても最終的にはWINtoWINにならないと困りますがね。


今回のneueに関しては「既存のインテリアをどこまで活かすか」がポイントでした。
長い年月の間コンクリの壁に壁紙を貼って剥がしてペンキを塗って剥がして、
更には作品展示の為にドリルで穴を空けまくり、ボロボロなんだけど味のある壁があります。

今までの案だとこの壁を殺してしまい、新しく作り直すプランで考えていました。
理由は意外にも思えると思いますが、
壁を新しく作ってしまった方が簡単で安上がり、
他の家具デザインで自由度が高いからです。

ところが「やっぱりこの壁は残したい」との要望を頂いて、
さてさてどうしたものかとアタマ抱えてしまいました。
古い素材と新しい素材を調和させるのは構造的にもデザイン的にも難しい。
下手をすると日曜大工のようなヤッツケインテリアになってしまいます。

そういうやり取りをするうちに出てきたキーワードが「倉庫」。
倉庫を改造したバーの荒っぽい仕上がりを求められているようです。
そこでこういう味のあるリフォームで定評のある「東京R不動産」、

のサイトや書籍を参考に眺めていたら、突然ピン!ときました。

「絵描きサン多いんだから『アトリエ』でいいんじゃね?」

灯台下暗したぁよく言ったモンでして、
クライアントがグラフィックデザイナーである事や、
自分自身思い入れの深いジャンルの店という事で、
変な気負い方をしてしまっていたのかもしれません。

そこで考えたコンセプトが、

「倉庫を改造したっぽいアトリエっぽいギャラリーバー」


・・・・・ポイポイポイと何とも掴みどころの無いキャッチコピーwww
コピーライターとしては失格ですが、最終的にカタチになればいいんです。
イメージは[はすとばら @ 渋谷]や[WEB @ 三宿]に近いんですが、
コチラはより無骨に実用性重視でいこうと思います。

そんな要素を詰め込んでみたプランC。
ここまでくるとCGで素材感やボロボロ感を表現するのが不可能だけど、
ウチのパソコンもファン回りっぱなしで頑張ってくれました。








・壁、カウンター天板、玄関ドアは既存利用。
・エイジング加工(わざとボロくする加工)の梁を壁と天井に走らせる。
・照明はチープな作業灯。シーリングファンで雰囲気だします。
・カウンター下部はガッツリと光らせる。




まだまだ梁や展示スペースのツメが甘いんだけど、
こんな感じの路線でイチから煮詰めていきます。