2008/06/16

【ID講座】家具デザイナーデビューなるか!?

さてさて毎度恒例の連載企画【ID講座】ですが、
チョイと学校から離れた所で面白い話が舞い込んできましてですね、
なんとななんと「家具デザイナー」としてデビューする機会に食い付けそうなんです。


家業を継いで鉄工所を営んでいる友人がいるんですよ。
ボクよか若いのにイッパシのシャチョーさんをやってるエラい奴なんですが、

「今までは別起業の下請けとして仕事をしてきたけど、
ココらで一発自社製品を、ゆくゆくは自社ブランドでスチール家具を作りたい。」

との事。

コイツは面白い話じゃないですかい。


どんなジャンルであれ「ものづくり」に関わる職人稼業ってのは、
「作ってるんだか造らされてるんだかわからなくなる」ってジレンマがありまして、
それでも黙って仕事をするのが職人としてのあるべき姿、という風潮が根強く残っています。

でも、

今の時代は職人というかブルーカラー全体への抑圧が強すぎて、
製造業の派遣が解禁になってからは特に、
こういう人種が世の中の隅へ追いやられている節があります。
近頃話題の「自動車組み立て工」なんてホント酷いですしね。

とはいえ、

「ブルーカラーの苦労自慢でお涙頂戴」みたいな話もアホ臭いし、
そんなモンで安い同情を買う程落ちぶれたくはありません。

だからこそ、

これからの職人は「作る」「造る」だけではなく、
デザイナー/クリエイターの専売特許である「創る」ことまで視野に入れるべき。

大工も家具屋も半人前のボクでさえこんな事を漠然と考えているんですから、
この話には非常に共感ができましたね。



そんな感じで何はともあれミーティングを兼ねて工場見学に行ってきました。
工業製品をデザインするプロダクトデザインの分野で大事なのは、
出来る事と出来ない事をキッチリ把握しなけりゃいけないって事。
「アレ欲しい!」「コレ作って!」って口で言うのは簡単だけど、
設備や材料、手間や予算を踏まえると非常にシビアな制約が出てきます。

また面白い事に「作った物を展示してくれる」インテリアショップも
既に確保しているという根回しの良さ。ソコの店長サンに話を伺い、
一番最初はその店で最も売れている「TVラック」を作る事になりました。

確かに。テレビ買い換える人多いもんね。
こんな風に造る人と考える人と売る人がコミュニケーション出来るだけで、
新しい発見や新鮮な意見が飛び交うのが仕事として面白い。


そして一般家庭向けの家具って言うと、「普通」は木製品。
金属製の箱物家具を一般家庭に合うように創るとなると、
当然ターゲットは「普通でない人達(笑)」となります。

尚かつ工場としてもデザイナーとしても初めての挑戦ですから、
いわゆる「目の肥えたインテリア好き」な人達はターゲットから除外。

そこでボクがまず思いついたのが、
「鉄の鉄らしさを強調した無骨かつシンプルなデザイン」で、
「インテリアはともかく他の趣味にこだわりを持つような男性」を
ターゲットにしてみます。

クルマやバイクにドップリとハマった経験のあるボク等なら、
最初の「的」としては丁度いいんですよ。


これは面白い話になってきました。

こんなカタチでデザイナーデビュー。

実務経験まったく無いんですが(笑)。

実はもう既に図面を引いているんですが、
工場側のGOサインが出るまでは公表は控えてます。

ウヒヒ。

製品化の暁には、

みなさん買って下さい。

ちゃんと「TVを載せる以外にも使える」モノを考えてますんで。