2008/12/14

無形の報酬と徳の経済活動

パーティのプランニングの話を始めたら「ナンパの仕方教えろヨ!」と騒ぐアホ共が
いますが、彼等の直感はある意味正しいと思います。
それは目的は違えどパーティそのものが「壮大なナンパ」とも言えるからです。

ちなみに若い頃仕込まれたナンパ術は教えません。一子相伝門外不出の秘伝です。
もっとも数年カノジョのいない奴の口説き論なんてクソの役にも立たねぇだろうよ。

ボクの行うパーティオーガナイズの場合ですと、
基本的に「ハコ代ゼロ」のハコでしかやりませんので、
アマチュアであるが故にギャラの支払いも無く、経費という概念も薄いので、
オーガナイザーとキャスト、スタッフ間の現金のやりとりはほとんどありません。



理由は色々とあるんですが、現金のやり取りをしない事における一番のメリットは、
相手が望む「無形の報酬」つまり本人ですら意識しないような、
真のニーズを見極めやすい事です。
見極めると言っても、ボクも言葉に出来るわけではないので、潜在意識と潜在意識の契約。

仏教で言うところの「徳」ってヤツです。それを払ったり貰ったり投資したり回収したり、
徳の経済活動をしながら自己顕示欲を満たしたり自己実現を果たしていくわけです。

すっげぇ簡単な例を挙げると、
「ありがとう」と礼をする事は徳を払う事、「ありがとう」と言われる事は徳を貰う事。
励ます事は徳の投資、褒めて貰う事が徳の回収。

もちろん綺麗事だけではありません。
非礼無礼によって損失もしますし、気に入らない奴の徳はとことん奪います。
徳の概念が分からないアホはカモにして騙し取ったりもしますよ。



具体例を挙げるとですね、明日開催のcreativo、
どうしようもない理由でDJに一人欠員が出てしまいまして、
急遽代わりのDJを立てなくてはならなくなりました。今朝に。

そこで早速、普段から一緒にやっている若いDJに代打を依頼。

彼にとってのメリットを想定すると、
・回した経験の無いハコでプレイする機会。
・面識の無いベテランDJと共演できる。
・自分の得意なフィールドで、クラブ系とはひと味違った人と知り合える。
・エントランスフィーをタダにするので創作料理を食べ放題。
・ボクに対して「貸し」が出来る。

とまぁ、これだけ出てきます。イチイチ説明するわけではないけれど、
提案したメリットを得だと感じて貰えたようで、代打を承諾してもらいました。



もう一人、コミュニティのメンバーからホールスタッフを依頼。
「ホールスタッフ」「パーティガール」など呼び方は色々ですが、
要はDJやライブなどのパフォーマンスをしない接客要員です。

・社交の場で働く、という少し変わった体験が出来る。
・スタッフという優位な立場をもって初対面の相手を自分のペースでリード出来る。

こんなメリットを受け取って貰うために、というか気持ちよく働いて貰うために、
接客要員には「クラブ慣れしていない女性」を選んで依頼しています。


急遽依頼したこの二人にはボクから「徳を投資した」事になり、
それを元手にボロ儲け出来るチャンスになるって事ですね。


「そんだけかよ!?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、
ボクはこれだけで6年のあいだ生き残っています。まだまだイケます。
その「そんだけ」から誇りや幸福を感じ取れる沸点の低い人種がいるんです。
ボク自身そうですし、同じ人種を嗅ぎ分ける嗅覚を持っています。



この辺の話はマーケティングとか経済学を知っていると、
もっと突っ込んだ話が出来そうなんですが、
しょせん偏差値40工業高卒の三十路チンピラなので、
ほどほどにしないと知恵熱オーバーヒートします。


そんなボクでも身体で分かっている事は、この理屈はナンパに応用出来るって事ですよ。