2009/09/01

【bar neue*】路線変更プランC

「デザイニング・カーペンター」などとカッコつけた肩書きを作った割には、
ちゃんと仕事として「デザイン」しているのはこれが初めてかもしれません。

クライアントの要望を聞き、
提示された予算の中で仕様や材料を考え、
3Dパースに落とし込んで提案の繰り返し。
ボクの場合は作り方からシュミレートしているので、
トータルで効率の良い方法を模索しています。

お店の持つコンセプトとは別に、
インテリアデザインにも骨子たるコンセプトが必要。
とはいえいきなり「デザインコンセプトは何ですかー?」なんて訊いても
ジャストな答えが出てくるわけではありません。

そこで自分の方で「勝手に」創り上げたイメージを提示して、
相手方の反応を確かめます。
やはりギリギリまで意見をぶつけ合わないと良いテーマは出てこないもので、
クライアントとの精神力の勝負になります。
勝負っつっても最終的にはWINtoWINにならないと困りますがね。


今回のneueに関しては「既存のインテリアをどこまで活かすか」がポイントでした。
長い年月の間コンクリの壁に壁紙を貼って剥がしてペンキを塗って剥がして、
更には作品展示の為にドリルで穴を空けまくり、ボロボロなんだけど味のある壁があります。

今までの案だとこの壁を殺してしまい、新しく作り直すプランで考えていました。
理由は意外にも思えると思いますが、
壁を新しく作ってしまった方が簡単で安上がり、
他の家具デザインで自由度が高いからです。

ところが「やっぱりこの壁は残したい」との要望を頂いて、
さてさてどうしたものかとアタマ抱えてしまいました。
古い素材と新しい素材を調和させるのは構造的にもデザイン的にも難しい。
下手をすると日曜大工のようなヤッツケインテリアになってしまいます。

そういうやり取りをするうちに出てきたキーワードが「倉庫」。
倉庫を改造したバーの荒っぽい仕上がりを求められているようです。
そこでこういう味のあるリフォームで定評のある「東京R不動産」、

のサイトや書籍を参考に眺めていたら、突然ピン!ときました。

「絵描きサン多いんだから『アトリエ』でいいんじゃね?」

灯台下暗したぁよく言ったモンでして、
クライアントがグラフィックデザイナーである事や、
自分自身思い入れの深いジャンルの店という事で、
変な気負い方をしてしまっていたのかもしれません。

そこで考えたコンセプトが、

「倉庫を改造したっぽいアトリエっぽいギャラリーバー」


・・・・・ポイポイポイと何とも掴みどころの無いキャッチコピーwww
コピーライターとしては失格ですが、最終的にカタチになればいいんです。
イメージは[はすとばら @ 渋谷]や[WEB @ 三宿]に近いんですが、
コチラはより無骨に実用性重視でいこうと思います。

そんな要素を詰め込んでみたプランC。
ここまでくるとCGで素材感やボロボロ感を表現するのが不可能だけど、
ウチのパソコンもファン回りっぱなしで頑張ってくれました。








・壁、カウンター天板、玄関ドアは既存利用。
・エイジング加工(わざとボロくする加工)の梁を壁と天井に走らせる。
・照明はチープな作業灯。シーリングファンで雰囲気だします。
・カウンター下部はガッツリと光らせる。




まだまだ梁や展示スペースのツメが甘いんだけど、
こんな感じの路線でイチから煮詰めていきます。

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