2009/07/23

一般飲食店におけるBGMの効能

昼間歩き疲れて新橋の喫茶店に入ったんですよ。
プロントだったかベローチェだったか、いわゆるチェーン店のお店です。
土地柄なのか4~50代のサラリーマンのオッサン達で埋まってまして、
束の間の休息を求めてアイスコーヒーを飲んでいるんですけどね、

かかっているBGMがガリガリのHIPHOP。。。。

おいおいおいおいおいおい。
そりゃねぇだろ。

恐らく店員のアンちゃんが自分のCDかけてるだけなんでしょうがね、
いや別にHIPHOPが悪いってワケじゃなくてYO!
その街その店その客その時間で流していい曲じゃねぇだろうがよ。

と、あまりの違和感に悪意すら覚えてサッサと退店しちゃいました。

けっして珍しくはない光景だけど、
スタッフも客もBGMに対する意識が低い店というのは居心地が悪いものです。
ボク等DJは公共の場で音楽を流す行為を非常に重たく考えていまして、
ココら辺の意識の高さとコダワリに関してだけは、
一般の音楽マニアやミュージシャンの方々よりも遙かに高いと自負しています。

「空気を読む」という言葉がありますが、
酒場において人の和の醸し出す空気は決して一定ではなく流れがあるものでして、
その流れに乗ったり逆らったりしながら舵取りをしていくのがDJの仕事のひとつです。
一流のDJならば選曲だけでお客が酒を飲むペースを早めたり食欲を湧かせたり、
逆に嫌な雰囲気の客を追い払ったりアガり過ぎた空気をクールダウンさせたり、
果てはイチャついているカップルを更に燃え上がらせる事も出来ます。

もっとも、こんな魔法使いのような芸当が出来なくとも、
飲食店を営んでいる方や働いている方、志望される方には
チョットだけ音楽の効果を意識して貰いたいと思います。
クラブなどの「音楽を売りにしている店」は別にして、
「こだわってみたいけど難しそう」という方にお勧めの選曲法です。

とりあえずお手持ちのCDやらMP3やらレパートリーをアタマに浮かべてもらってですね、

・店のコンセプトやインテリアに合っているかどうか。
・街の雰囲気、客層や年齢層に合っているかどうか。

まずはこの二つ。ガチガチに絞るというよりは、
露骨に合わない曲だけ消去していけば十分です。

・OPEN前後はスタッフを「高揚させる為の曲」
プロレスラーの入場テーマ曲みたいに自分達がアガる曲、
単純に好きな曲をかけていいのはこの時間帯です。

・お客さんが少ない時は「爽やかな曲」
お客が思うように入らない時ってジリジリ焦りが出てきますよね。
そういう気持ちを抑えるのに鎮痛剤のような選曲がベター。
声の細い女性ボーカル物なんてイカガでしょ?

・賑わってきたら「陽気な曲」
満員になると店側は嬉しいものですが、客の立場だと少々煩わしいと感じてしまいます。
ネガティブな面を打ち消すのに有効なのがカラっとした選曲です。
ラテンやサンバで悪ノリさせてやるくらいが丁度いいと思います。

・ピークが過ぎてきたら「古くて渋い曲」
ピークが過ぎても残ってくれるお客さんは常連さんだったり、
その店を心底気に入ってくれてる人が多いです。
どんなジャンルでも古い曲には味があります。
ピアノジャズでもバックにして、苦労話でも語らせてやりましょうや。

・CLOSE間際は「しっとりと落ち着いた曲」
店内に「蛍の光」がかかると「あ、もう帰らなきゃ!」って思いますよね。
さすがに飲食店でソレかけちゃマズいけど、
そういう子守歌のような雰囲気の曲をかけてやれば、
大抵の人は大人しく帰ってくれますよ。
そのまま寝ちゃう奴もいるだろうけどw


例えば夕方から夜までの5,6時間の営業でしたら、
CD単位で選んでみて上の順番で流してみてはイカガでしょう。
店の空気がグッと引き締まってメリハリもつくと思いますよ。
騙されたと思って一度試してみて下さい。


それ以上突っ込んだお話でしたら、
ボク等のようなDJに相談して貰えれば良いアドバイスが出来ると思います。
そういう所で人の役に立たないとDJの存在意義もなくなってしまいますからね。

インテリアで語り、音楽で魅せて、酒や料理で口説き落とす。
そんなお店が増えてくれると嬉しいです。

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