2009/04/21

偉大なるロックンロール詐欺

世の中には数多くの「プランナー」「プロデューサー」という肩書きを持つ人達がいます。
なかでもボクがリスペクトする人物といえば、
20世紀ロック史上希代のペテン師として名高いマルコム・マクラーレン。
名前からピンとくる方は少ないかと思いますが、
80年代のロンドン社会を痛快に罵倒したセックス・ピストルズの黒幕です。
ピストルズのドキュメンタリー映画[The Great Rock 'n' Roll Swindle]は傑作ですよ。
バンドメンバーが怒って作り直した[No Future]はまだ観てないけど。

今日はそんな敬愛するペテン師に一歩近づけるかもしれないお話。

マルチ勧誘のメールに混じって数件は入ってくるボクの仕事への問い合わせメール。
宣伝コンテンツも無ければHPすら作っていない状況なのに(←だいぶ焦ってます)、
それでも興味を持ってくれる方もいるんです。

「近い将来ロックバーを作りたいんだけど。」

ほほー。面白そうじゃん?
そりゃロックは専門外だけど「音楽系酒場」って括りで考えれば、
どんなに不景気になっても絶対に絶やしちゃいけない文化だよね。
クラブもライブハウスもバタバタ潰れてる現在で、
そんな店やろうとする事自体がロックじゃないですかい。


これは丁寧にレスしなければ、って事で考えてたら、
書いてるうちにだんだん面白くなってきてしまい、
立地条件や物件探しからデザインのアイデア、工事費用の概算まで延々と長文レス。
だいたいいつもの日記3日分くらい。

こりゃ自分で読んでて疲れるわ。引くかなぁ?ただのヲタク講釈だもんな。

と思いきや意外とノッてくれたようで、
相談してくれた方からロックバーを開こうとする経緯を聞かせて貰い、
社会人として、バンドマンとしての経歴が相当なレベルだと思えてきた。
場所はロッカーの聖地である新宿~高円寺の中央線沿線。
広さは10坪、客席数15くらいを想定。

これは面白いかも!
・・・と、ボクの方は既に営業モードからかけ離れてしまい、
ノリノリで妄そ・・・いや脳内プランニング。

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ロック系という事でインテリアのイメージはかなり絞られてきますが、
一番オーソドックスなのは50'sテイストのオールドアメリカンスタイルでしょうね。
壁と天井ぜんぶ真っ黒に塗って、床は白黒の市松模様、ポイントに赤。
レコードのジャケットを随所に貼り付けていけば「いかにも」なロックバーになるかと思います。
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過去に2.3度くらいしか行った事ないけど「ロックのバー」ってぜんぶこんなイメージだった。
開店当時はこれで十分アバンギャルドだったのかもしれないけど、
今から同じテイストで作ったところでボク等より若い世代には受けないだろうね。

そもそもさ、「いかにも普遍的」なインテリアじゃ、それはロックじゃないよね。

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そこで一つ、話の余興として提案させて頂きたいのですが、
HIPHOPのテイスト(あくまでもインテリアのみ)を取り入れる事は如何でしょう?
HIPHOP系アーティストのPVによくある「コンクリート」「金属」を多用した無骨な内装。
「スレート波板」と言われるコンクリートに似た表面を持つ屋根材がありまして、
http://www.joyfulhonda.com/homecenter/k-shizai/slate/
これを壁材として転用し、店内随所にステンレスの金網でパーテーションを作り、
カウンター甲板にはエイジング塗装を施した鉄板を貼ります。
http://www.hekiga.com/ageing/B-Eseies.html#Anchor_BS
照明にはステージ用スポットライト。無駄に大きい物を使うのが洒落が効いて面白いかと思います。
http://www.soundhouse.co.jp/shop/ProductDetail.asp?Item=977%5ESS802C%5E%5E
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エミネムだか誰だかのPVをチラ観した時に
「刑務所っぽい内装のバー」が脳裏に強く残ってて、
そういうの作れたら面白いなーって常々思ってたんですよ。
もちろんコレ、ボクの主観的解釈でしかないんだけどね。

けどこのアイデアもソコソコ好感触♪
いやもうね、考える事そのものが楽しくってしょうがないスよ。
久しぶりにCADおこしてCGパースまで作りたくなってきたんだけど、

ここでアタマの回転が失速。
せっかく開いたチャクラがまた閉じちゃう。

なぜならボクは、

正直に言って、

ロ ッ ク を 知 ら な い か ら (爆)


最初に話したセックス・ピストルズはサイドストーリーまで好んでたけど、
それ以外だとイギー・ポップ、日本人ならブランキー・ジェット・シティ。
他は全然知らない。ロクにロックを聴いた事がない。広すぎてわからない。
あとはヨハネ・クラウザーⅡ世くらいか。

当然、クライアントの好むロックのジャンルはチンプンカンプン。

これはマズい。ハッタリがバレるww
そりゃ聴かなくても作れるけどさ、知ってなくちゃ創れないのよ。
プランナー/デザイナーとして致命的欠点だわいな。


さあどうしよう。
クライアントからはナカナカ気にいって貰えてるようだし、
未定な予定とはいえ、この仕事欲しい。
つーか、既に仕事忘れて楽しんでるところもあるけど。


現状では「ロックバー」「中央線沿線」「10坪」がキーワード。
これでどういうインテリアプランを出そうか。
これでどうやって人が集まる店にしようか。
みんなだったらどんな店にしたらいいと思う?


The Great Rock 'n' Roll Swindle!!


どうせなら、こんな店に世の中荒らしてもらいたいよね。

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